マイクロストラテジーが2530BTCを追加購入!
ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェア大手のMicroStrategy(マイクロストラテジー)は、2025年1月6日から12日にかけて、約2,530ビットコイン(BTC)を平均取得価格95,972ドルで新たに買い増しました。
この投資額は総額約2億4,300万ドルに及び、同社がこれまで積み上げてきたビットコイン保有数は約450,000BTC、評価額は約413億4,000万ドル(2025年1月時点)に達します。今回の資金調達は普通株式の売却によって賄われ、さらに今後3年間で21億ドルの優先株式発行を行い、ビットコイン購入を継続する計画を明らかにしました。
マイクロストラテジーはこれで、ビットコイン全体の約2%を保有することになります。
ビットコインへの積極投資を続ける背景
MicroStrategyが2020年8月にビットコインを主要な財務資産として採用した背景には、いくつかの要因があります。
- インフレヘッジとしてのビットコイン
コロナ禍以降、世界的な金融緩和が続く中での通貨価値の希薄化が懸念されるなか、ビットコインをインフレヘッジ手段と位置づけています。 - デジタル資産への信頼感の高まり
供給量が2100万BTCに限定され、分散型であるビットコインは“デジタルゴールド”とも呼ばれ、多くの機関投資家や企業から注目を集めてきました。 - 企業財務の新たなモデル
ビットコインを「キャッシュリザーブ」として保持する先進的な事例となり、企業の財務戦略に大きな一石を投じています。
レバレッジ戦略の真偽とリスク・リターン
一部アナリストは、MicroStrategyの大規模なビットコイン買い増し戦略に「レバレッジリスクがあるのではないか」と懸念を示しています。
実際、MicroStrategyは普通株式や優先株式の発行などで調達した資金を用いているため、債務超過リスクが高まるわけではありませんが、高ボラティリティの資産を大量に保有するリスクは常に存在します。
- リスク:ビットコイン価格の急落
ビットコインの大幅な下落が続いた場合、同社のバランスシートに大きく影響し、株価急落につながる可能性が指摘されています。 - リターン:長期目線での資産保全
CEOのマイケル・セイラー氏は、ビットコインを「デジタル時代の最も信頼できる価値の保存手段」と捉え、長期的にはビットコインの価値が大幅に上昇すると予測しています。
株価とビットコイン価格の相関
MicroStrategyの株価は、ビットコイン価格に強く連動する傾向があります。事実、2024年には同社株価が400%以上上昇し、その要因の大半がビットコイン相場の上昇に支えられました。
一方で、ビットコインの値動きは依然としてボラティリティが高く、株価も急変動しやすい状態となっています。投資家はその点を十分に理解したうえで判断を下す必要があります。
今後の戦略と市場の見方
MicroStrategyはビットコイン買い増しの手を緩める様子を見せていません。今後発行予定の21億ドルの優先株式によってさらに資金を調達し、ビットコイン保有を拡大する計画です。
この動きに対して、市場関係者からは「ビットコイン相場が高騰すれば莫大なリターンが見込める一方、下落すれば業績に大きな影響が出る“ハイリスク・ハイリターン”の典型例だ」という指摘が出ています。
- 企業ブランドへの影響
ビットコイン投資企業としての知名度が高まり、同社のビジネスインテリジェンス分野での提供価値との相乗効果が期待される一方、暗号資産の価格下落時には大きなダメージを被るリスクも高まります。 - 暗号資産市場全体の成熟度
ビットコインをはじめとする暗号資産市場が一層成熟するかどうかは、各国の規制や金融機関の参入状況によって左右されます。そこがMicroStrategyの“勝敗”を大きく左右する要因になるでしょう。
Xでの海外の反応は?
最後に、X(旧Twitter)で寄せられているさまざまな声を引用してまとめます。
@CryptoHawk
「ここまでBTCを保有する企業はほとんどない。MicroStrategyはやっぱり暗号資産時代の先駆けなのかな。」
@WallStreetWolf
「レバレッジ戦略かどうかはさておき、ビットコイン下落が直撃したらバランスシートはどうなる?投資家はその部分を見落としちゃだめだ。」
@FinTechGuru
「優先株式で21億ドル調達まで発表するとは、かなり強気だね。上手くいけば“ビジネス界のビットコイン王”になれるが、ハイリスクなのも事実。」
@ValueInvestor
「ビットコイン価格次第で同社の価値が大きく変動するのは、ボラティリティを好まない投資家には厳しい。やっぱり保守的な投資スタイルには合わないかも。」
こうした反応からも、MicroStrategyのビットコイン戦略が評価・懸念の両面で注目されていることがわかります。確かなのは、このアグレッシブな投資姿勢が企業の財務管理における新たなモデルとして、今後も議論を呼び続けるだろうということでしょう。
▼まとめ
- 2025年1月初旬に約2,530BTCを買い増しし、総額2.43億ドル投下
- 合計保有数は約450,000BTC、評価額は約413億4,000万ドルに到達
- 普通株式や優先株式発行などで積極的に調達し、ビットコインを主要財務資産に位置づけ
- 株価とビットコイン価格は連動性が高く、ボラティリティも顕在化
- 企業財務の新たなモデルとして注目される一方、リスクへの警戒感も根強い
企業のビットコイン投資の「成功例」か、それとも「リスクの高い戦略」なのか。MicroStrategyの今後の動向は、暗号資産市場のみならず、グローバルな企業財務の在り方をめぐる大きな焦点となりそうです。